日本の秋を代表する松茸。しかし、松茸を採るのは非常に難しいものです。通常のきのこのように地表に顔が出て傘が開ききってしまえば、香りも味も落ちます。
地表からわずか1~2cm程度顔を出したところを見極め、根本から押し上げるようにして採取するのが正しい収穫の仕方です。
シロの場所を知らない人間が、やみくもに探しても採取できない理由はこの点にあります。
現在のところ、松茸は人工的に栽培することができず、自然に発生したものだけを収穫します。
入会地の過剰利用などにより退行遷移を起こしてアカマツが優占するようになった里山は松茸にとっては適した環境であるため、過去には日本でも多く取れ、庶民の秋の味覚として親しまれた。
「松茸列車」と呼ばれる、国産松茸を満載した貨物列車が毎日東海道本線を走ったほどでした。
しかし、松の葉や枝を燃料や肥料として利用しなくなりマツ林の環境が変化したことにより収穫量が激減。そのため、現在では高価な食材の代表格となりました。
松茸は冷夏で雨の多い年は多く発生しますが、夏が暑く8月中旬から9月末頃の降水量が少ない年は、収量が減少してしまいます。
最近では市場流通量のほとんどが輸入品で占められ、中でも韓国や北朝鮮、中国からの輸入が多い。
2007年以降の北朝鮮産については核実験をきっかけとする経済制裁で輸入が止まっており、中国産については残留農薬(殺虫剤)問題で市場の不信感から価格が低迷しています。
北米からは別種のT. magnivelareが輸入されているが、それを含め類似の形態・食味・香りを持つきのこは市場では一括して「松茸」として扱われています。
北米のT. magnivelareは、日本の松茸とは異なり自然度の高い森林に発生します。
きのこを採集するために熊手(レーキ)で落葉層を掻くなどして地表を攪乱することは、樹木の細根を傷つけ生態系へのダメージとなる。
このためアメリカではきのこ狩りに規制がかけられており、一時はこのきのこをワシントン条約に基づき保護する対象とすることが検討されました。